ジグソーパズルU
□標的73
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『なんでここに…?白蘭』
「そんな警戒しないでよ」
『するに決まってんでしょ』
仮にも自分を監禁していた男だ。凜は拳銃を向けたまま険しい表情で白蘭を睨んだ。凜の前には同じように白蘭を睨む夜月。
「君にあわせたい人がいてね」
『あわせたい人――!』
「ルナ様」
『…とあ…なの?』
「はい(笑」
『…っ』
凜の前に現れたのは自分と同じ真紅の髪をしたおとこ。未来で自分が戦った、大切なひと。
『都亜っ!』
凜は都亜に抱き着いた。涙を浮かべて顔をあげ都亜のかおを凜はまじまじと見た。
『やっと、会えたね…』
「そうですね。それよりも怒っていないのですか?」
『?』
「未来でのこと、それに「ごめんね」!」
『あたしのせいで、辛い思いさせちゃって』
「…私のほうこそ、数々のご無礼をお許しください」
ふたりは顔を見合わせて笑みを浮かべた。
『でもなんでここに?』
「僕たちユニちゃんの代理人なんだ」
『ユニ?ユニもいるの?』
「はい、私もその代理人です」
『そっか』
ずっと会いたいと願っていたひとに会えた喜びを凜は噛みしめた。
『都亜!代理戦争終わったら桜見にいこ』
「ええ、もちろん喜んで(笑」
そんな約束をかわしてふたりはわかれた。もちろん白蘭へのお礼もわすれずに告げて。
「随分たくましくなった、頼もしいくらいに」
「そうだね。前会った時よりも」
都亜は白蘭とそんな話をして凜の家をあとにした。
(お兄ちゃん、都亜に会ったよ!)(都亜?)(うん!)(…よかったじゃねぇか)(なんか怒った…?)(……別に)((怒ってんじゃん…))
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