ジグソーパズルU

□標的72
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「おかえり、凜」


『ただいま、クローム』



家に戻るとクロームが凜を迎えた。ふたりは会話しながらリビングに向かった。


凜は扉をあけた。



「かっ消――」



凜は扉を閉めた。



『クロームってば見かけによらずお転婆!幻覚のお兄ちゃん出すなんて…』


「本物よ」


『……』



大きな殺気を感じながら凜は再びリビングの扉を開けた。そこには怒り顔のザンザスが拳銃を向けていた。



「かっ消す」


『Σやばっ』



凜はクロームの手を引いて近くの部屋に飛び込んだ。同時にさっきまで凜達がいたところは黒焦げ。



『あたしの家が…』


「ししっ、いっそイタリアに帰ってこればいいんじゃね?」


『なんでいるの?』


「近道♪」


『Σなんてことっ!』



部屋の壁には大きな穴があって、リビングから玄関近くの部屋まで貫通していた。



「新技の試し打ち♪」


『Σ場所選んでっ!?』



ベルは白い歯をみせながら凜の上にのしかかった。凜は呆れるように息を吐いてから言った。



『クローム、こんな家じゃもう住めないし今日は京子のところに泊めてもらって?』


「うん、わかった」


『住むところは夜月に探しておいてもらうから見つけたら家が直るまでそこに』


「うん」



凜はそう言うとベルを背負ったまま空いた壁の穴からリビングに行った。






























(便利だろ?この穴)(便利ですけども)(なんだよ)(世の中扉と廊下っていうのがあるんだよ)(関係ないし。だって王子だもん♪)(それこそ関係ねぇよ)


























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