ジグソーパズルU

□標的69
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「実際に私の創ったボンゴレは間違っていなかった。

今やボンゴレの強さと富に楯突く愚者はいなくなり無駄な血は流されなくなったのです。

エレナの言うとおりボンゴレは弱き者達に平和をもたらしたのだ」



「でも…エレナさんは本当にそんなボンゴレが好きなのかな」


「なっ」


「人を怖がらせたり力やお金を使って支配することに弱い人の気持ちなんて少しも入ってないじゃないか」


「沢田綱吉!貴様にエレナの気持ちがわかるというのか!!」


「D」


「「!」」



後ろから聞こえた声にツナ達は振り返った。そこに写真でエレナの隣に立っていた女。



「エレ…ナ…、エレナなのか…?」


「ええ」



エレナはデイモンの近くへ行くと消えていくデイモンの手をしっかりと握りしめた。ツナはいまだ驚きを隠せなかった。



「(死んだはずの人間がどうして…)」


「デイモン…、私のためにここまでしてくれてありがとう。あなたに出会えてよかった」


「エレナ…っ」


「感謝してるわ」


「!」


「心から私はあなたを愛しています――」







“ありがとう”






「エレナ…、お前を救えなかった私を…許してくれ…!!」



涙を流すデイモンを見てエレナはニコリと微笑み姿をけした。



『ボンゴレ10代目は、あなたが思うより弱くない。情けないしムカつくときはあるけど』


「Σえっ!?」


『でも、少なくとも悪いボンゴレにはならないとあたしは信じてる』


「もしものときはオレと凜が殴ってやるぞ」


「Σひぃぃい!!恐ろしいっ!」


『ね?』



凜はデイモンに笑いかけた。その笑顔を見てかデイモンもつられるように笑みを浮かべた。



「何十年ぶりかに眠いと感じる…。エレナの気持ちを聞けて…緊張が解けたようです」


『…「千堂凜」!』


「礼を言う…、ありがとう」



その言葉に凜は静かに微笑み返した。



「お前のやり方をみせてもらいましょう沢田綱吉。ただし名を汚すようなことがあれば許しませんよ」































――エレナの愛したボンゴレなのだから。































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