ジグソーパズルU
□標的60
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『…――っ』
ゆっくりと目を開けた凜は痛みに表情を歪ませながらも体を起こした。
『(今のは初代シモンボスとT世…?でも若かった…)』
「過去か」と呟いたあと凜は自分の状況を把握すべくあたりを見渡した。手足は縛られ武器も全てとられていた。
『何がどーなってんの?』
傷だらけになった理由までは覚えてるんだけど今の状況はいまいち理解できない。なんであんな記憶が頭に流れたんだろう。
「教えてあげようか?」
『…』
凜は後ろから急に聞こえた声に驚きもせずに振り返った。そこには加藤ジュリーの姿。
「今、沢田綱吉率いる守護者たちがきてるんだよ♪」
『ツナ達が?』
「勿論ルイとらぶらぶのヒバリちゃんもね♪」
『!』
凜の脳裏をよぎったのは応接室で抱き合っていたルイと雲雀が抱き合っていた姿。凜はそれをかき消すように首を振った。
『何であんな記憶が?』
「さぁ。誇りが折れたほうが負けみたいな戦いでさ、勝負がついたらみれるみたいだよ〜ん」
『誇り…。負けたらどうなるの?』
「その時は復讐者に連れていかれる」
『!』
“復讐者”
その言葉を聞いて凜は驚いていた。ただのマフィア間の抗争に出てくるか理解できないからだ。
『(奴らが現れるほど互いのマフィアがぶつかり合うのはおかしいんだ…きっと)』
「ところで凜ちゃん」
『!』
凜にぐっと顔を近づけてきたジュリー。凜は身を引きながらもジュリーと視線を絡ませた。
「オレっちのものにならない?」
『ならない』
「きっぱり言っちゃって、照れ屋さん♪」
『離れろっ!』
「おっ」
凜はジュリーに頭突きをかました。ジュリーは驚きながらもどこか楽しそうに笑みを浮かべた。
「何をそんな怒ってんのさ。事実だろ?雲雀ちゃんはルイのだって」
『…なんで』
「ヒバリちゃんってルイを変な野郎共から助けたらしいし、それからは結構密会してたみたいだし?」
『密会…?』
「う・わ・き♪」
『嘘』
「だって見たんだろ?抱き合ってたとこ」
『!』
「まぁいいや。よーく考えるこったね」
そう言い残すとジュリーは部屋を出て行った。
『くそ…っ』
To Be Continued..