ジグソーパズルU
□標的58
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『ふ〜ん…』
帰り道、凜はツナが9代目とどんな話をしたのか聞いていた。
「オレ、マフィアのボスなんて絶対やだよ」
『ガラじゃないもんね』
「それもあるけど…」
『……』
ますます暗い表情になるツナ。凜は何も言わずその様子を見ている。
「凜たちを危険な目に合わせたくないんだ」
『…私は、』
「…?」
『私は自分の進みたい道を進んだ』
「進みたい道…?」
凜は近くのベンチに腰かける。ツナもその隣に腰かけると凜の話に耳を傾けた。
『私を助けてくれたお兄ちゃん達を守りたい。あの人たちの側にいたい。そのためには自分も同じところに立たなきゃいけない』
「ヴァリアー…幹部、」
『私はヴァリアーであることを誇りに思う』
「誇り…?」
『だからこの道に進んだことは後悔してない』
「凜…」
ゆるぎない瞳。彼女がどれだけヴァリアーでいることを誇りに思っているのか物語っていた。
『ツナはヴァリアーと戦ったこと、未来に行ったこと、隼人たちと…私と会えたこと後悔してる?』
「それは…」
『ボスになるかならないか…最終的に決めるのはツナだから、私はこれ以上何も言わない』
「凜「おやすみ」…」
凜はツナに背を向けて去って行った。ツナは見えなくなるまでその背を見送っていた。
(何言ってんだ、私)
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