ジグソーパズルU

□標的56
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『相変わらず喧嘩っぱやい…』


「猿山の彼らよりマシだよ」


『まぁ…そうだけど、』



猿山の彼らというのはヴァリアーのこと。雲雀の言うことは的をえているため文句は言えないようだ。



『そうだ、せっかくだし遊んでかえろ♪』


「仕事「いいから」…」


『ね?』



何故かとても嬉しそうな凜を見て雲雀はため息をつく。だがすぐに笑みを浮かべ凜に腕を引かれていった。



「ちょっと待ってて。電話してくる」



何かを思い出したように雲雀は凜から離れ電話をしに行った。残された凜は大人しく待っていた。



「ねぇ、そこの彼女」


『?』


「そ、君」



そういって現れたのは至門の制服を着た帽子をかぶった男。男は凜の後ろの壁に手をつくと顔をぐっと近づけた。



「やっぱ思った通り美人!オレとデートでもどう?」


『生憎、いま彼氏とデート中なんで』


「まじぃ?でもいまいないじゃん。こんな子ひとりにしとくとかありえねェよ」


『うるさいなぁ、ほっといても私は平気』


「強がり?オレが遊んでやろうか?」


『遊ばなくてい――!』



顎に添えられた手。凜は殺気とまではいかないもののしつこい男に苛立ちはじめているようだ。



「どう?オレならあんたをひとりにしないぜ」


『(この男…)』
































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