ジグソーパズルU
□標的45
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≪凜さん、準備はいいかい?≫
『いつでも』
凜は無線をつけ基地ユニットの外にいた。その手には千華刀がしっかりと握られている。
≪沢田機、獄寺機、山本機発進!!≫
ユニットから出てきた3台のバイク。それぞれに乗っている山本やツナ達。彼らはこのあと入江の指示によって動く。
≪それじゃあ頼むよ≫
『了解』
凜は入江の標的マーカーと同じ炎を灯したダミーを手にしユニットから離れた。もちろん移動手段は足。
「見つけましたよ」
『!』
凜は不意打ちの攻撃をぎりぎりでよけた。そして着地すると攻撃の矛先に目をむけた。
「お久しぶりです、ルナ様」
『都亜…。やっぱり敵の雪はあんたか』
「ふふ…、気づいてましたか」
静かに笑う都亜に対し凜はゴクリと息をのむ。そんな姿さえ都亜にとってはおかしいことのようだ。
『なんでミルフィオーレに…?』
「シングから聞きませんでしたか?私はあなたの大切なものを壊すためにミルフィオーレに入ったのだと」
『なんで――っ!』
たずねようと顔を上げる。同時に頬から血が流れた。都亜の持つ刀が凜の頬をかすめたのだ。
「あなたが憎いからに決まってる」
『…っ!!』
「あなたが憎くて仕方ない、あなたを殺したくて仕方ない。この数十年あなたを不幸のどん底に落とすためにどれだけ我慢してきたか…」
『…数十年って…、はじめから…?』
「すべてあなたを不幸におとしいれるため」
『あの笑顔は、うそ…?』
「あなたに本当の笑顔など見せたくもない、ルナ様…いや、ルナ!」
『…っ!』
そこにはもう昔の大好きな執事はいない。凜はこぶしを戦闘態勢にはいった。
『…!?』
「……(ニヤ」
(戦えない)(やらなきゃ殺されることはわかってるのに)
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