ジグソーパズルU

□標的40
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『白蘭…っ!』


立体映像で現われたのは白蘭。それを見た凜は自分を落ち着かせるように雲雀の服をぎゅっと掴んだ。



≪ボンゴレの誇る最強部隊の本気が見れちゃったりして前哨戦としてはとても有意義だったよ♪≫


「(…前哨戦?)」


≪メローネ基地で僕を欺こうと必死に演技する正ちゃんも面白かったなぁ≫


「!!…じゃあ僕が騙してたこと…」


≪うん、バレバレだよ。確かにこの戦いを逆に利用して敵に寝返る計画はよくできてたし、正直ボンゴレと手を組むなんて思ってもみなかったけど正ちゃんがいつか敵になることは想定の範囲内だったからね≫



出会った時と変わらないニコニコした笑顔で話す白蘭から目を合わせることさえできない凜。



≪だって昔から正ちゃん僕のすることなすこと否定的な目で見てたからね≫


「!!…あなたは間違ってる!」


≪ほーらきた。まぁ好きにすればいいよ、どちらが正しいかは今にわかるし。しっかし正ちゃんも物好きだよね。凜チャンがいるにせよまだケツの青いボンゴレ十代目に世界の命運をあずけちゃうなんてさ≫


『「(世界の命運…?)」』



ツナと凜は白蘭の言葉にごくりと息を飲む。



≪本当はこのまま息つく暇なく戦力を投入してボンゴレを消すのは簡単なんだ。でもここまで楽しませてもらったのはたしかだし、返してもらいたいものもある≫


『……っ』



白蘭と目を合わせて後ずさる凜。凜を隠すように雲雀が凜の前に立った。



≪それに信頼してた副官に裏切られたとあっちゃリーダーとしてプライドにかかわっちゃうだろ?≫


「…っ」


≪だからそろそろちゃんとやろうと思って。沢田綱吉クン率いるボンゴレファミリーと僕のミルフィオーレファミリーとの正式な力比べをね≫


『(正式な…)』


「(力比べ…?)」


≪もちろんトゥリニセッチと凜チャンを賭けて♪≫


「な…っ!!なんで凜まで…!?」



ツナは立体映像の白蘭に向かって訴える。白蘭はこれといって表情をかえず笑顔のまま答える。



≪欲しいからに決まってるじゃん、綱吉クン。どの世界でも彼女だけは手にいれられなかったからね≫


『ふざけんな…っ!あたしは二度とお前のところなんかにいくか!!』



凜の表情は恐怖にうまっていた。だけど負けられない暗殺者としてのプライドか、彼女は決して折れない。



『この時代のあたしは確かにあんたのところにいったけど…、あたしは逃げないっ!!』


≪へぇ…≫


『あんたなんかに負けない…、あたしはひとりじゃない』


≪いいねぇ。ほんとに君は壊しがいのある女だよ≫







意味深な言葉を残し白蘭は話を元に戻した。



























(あの男、咬み殺す)(落ちつこ、恭弥)(君は落ち着きすぎなんだよ)


















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