ジグソーパズルU

□標的45
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「何故雨の炎をくらったのに立ってるんだ!!」


『あたしは9種の炎を操る』


「9…!?転換炎かっ!!」


『雨の炎は晴の炎で消させてもらった』



晴の炎の特徴は活性。凜は自らの体内に晴の炎を灯し意識を取り戻したのだ。



「…何故、お前ばかり」


『……』


「お前さえ生まれてこなければ私はこんな感情にならずにすんだんだ!!」


『!?』



都亜は指輪に炎を灯し匣にそれを注入した。その瞬間都亜の体はひとまわりもふたまわりも大きくなった。



『なに…、これ』


「デビルリングだ!そいつを使ったら理性を失ったただの化けもんになるぞッ!!」



少し離れた場所で戦っているシルバが言った。



「があああっ!!」


『…っ!』



凜はギリギリで攻撃をよけると戦闘態勢を立て直す。指につけているヴァリアーリングは七色の炎を彩、それは匣に注入された。



『雪狐、リオル』



白銀の狐は白い息をはく。その息は暴走する都亜の動きを凍らせて封じた。



『…あたしは都亜の笑顔が偽物だとは思わない』


「!」


『だって都亜といれてとても楽しかったから』


「ぐああぁあっ!!」


『だからあの笑顔だけは信じてたい』


「うがああああっ!!」


「凜ッ!!」



落ちていた千華刀を手にした都亜はそのまま凜に向かって攻撃をしかけた。先には面をとった凜の顔。



「――!」



都亜は凜にあたる寸前で攻撃の手を止めた。



「れお、な…」


『!』


「すま、ない…、かあさん…っ」



悲しみの瞳は確かに凜を映していた。理性を失った都亜の心にまだ母の姿があった。都亜は凜と母の姿を重ねていた。



『ありがとう、兄さん』



完全に固まった都亜のからだを破壊すると凜は背を向けた。その目からは涙が流れていた。




『――さよなら』

































To Be Continued..
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