ジグソーパズルU
□標的42
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「前々から聞いてみたいことがったんだけどいいか?」
『ん?』
休憩時に話しかけてきた山本に凜は小首を傾げた。
「なんで凜はヴァリアーに入ったんだ?」
『なんでって…』
「9代目の娘ならヴァリアーに入らなくてもボンゴレじゃねぇか」
その言葉に凜は苦笑を浮かべた。きっと考えたら誰も疑問に感じることだろう。
『あたしね、昔自分で自分の命を絶とうとしたことがあるんだ』
「自殺…?」
『大好きだったひとがふたりいっぺんに消えて、寂しくて悲しくてしかたなかった。そんなあたしを支えてくれたのがスクアーロなんだ』
「スクアーロが、」
『スクはあたしにとって恩人。ベル達もあたしが悩んでたときはいつも助けてくれた。そんな彼らに恩を返したいし、もっとそばにもいたい。役にも立ちたい。
だからヴァリアーに入ったの』
「ほんとに好きなのな、ヴァリアー(笑」
『うん、大好き(笑)』
「…//」
ふいに見せられた表情に顔を紅くする山本。凜は凜で話を聞いてもらい上機嫌になっていた。
「あ〜…やっぱもう無理」
『へ…?Σわっ!!』
山本は凜の腕を引っ張り自分のもとへ引き寄せた。突然のことに何が何だかわからない凜はただただ戸惑うばかりだ。
『た、たけ「好きだ」へ…?』
「お前が悪いんだぜ」
『あ…あの、』
身体をはなされたかと思うとゆっくりと顔を近づける山本。たいしていまだ状況が把握できていない凜。
『まって「またない」ん…』
前に出した手は山本によって止められた。そしてそのまま唇が重なった。
『……ちょっっと!』
凜は山本を突き放すと頭の中を整理してから言葉を発した。
『気持ちは嬉しいけど、あたしは「雲雀だろ?」うん…』
「関係ねぇ。好きなもんは好きだしな♪」
『…//』
「んじゃオレ、ツナ達の様子みてくる」
そう言い残すと山本は去って行った。残された凜はひとり難しい表情を浮かべていた。
To Be Continued..