キミの唄
□07.最北端
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『いてて・・・、あ、雪』
物凄い衝撃に閉じていた目を開けばそこは一面の雪景色。
さっきまでの世界とはまるで違う。
(かえってきたんだ)
ほっと、一息つき安心する。
しかし、問題が一つ。
ここがどこなのか、奥州なのか違うのか。
なんの目印もなく、政宗達のいる城まで帰れる自信もない。
(はて、どうしたものか・・・・)
きょろきょろとあたりを見回すが、やはり雪ばかり
「竺丸、いる・・・?」
この状況で一番頼りになるのは、彼だ。
少しして、どこからともなく声が聞こえた
「いるよ。一応」
「一応って・・・。そういえば、私生きてる?」
あっちでは、透けて死んでしまった私だttが、こっちに戻ってくるとなんら問題ない。
「生きてるよ、安心しな。まあ、俺は・・・・」
「言わなくていい」
彼の言葉を制し、私はズンズン歩き出す
「ちょっと!どこいくの」
「静かに!」
どこにいるのか分からない竺丸に、私は注意する。
そして、身を低くし注意して周りの音を聞く
ミシミシ
雪を踏む音がする
軽い足取りで、こちらに歩いてくるようだ。
「竺丸、なんとかなりそうだから。・・・・帰っていいよ」
しれっとして、言ってやると「ひどっ!!」と竺丸の声がした。ような気がした