キミの唄
□06.死亡確認
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(どうしてこんなところにいるの?)
なれない浮遊感を感じ目を開ければそれは、懐かしの平成の世。
ほんの少し前に私は梵こと伊達政宗と共に居たというのに・・・
簡単に今の状況を整理しようと、思考をめぐらす。
私は戦国の世で、藤姫さまと平吉さまの間に生まれた。
そして、梵天丸様の遊び相手になる。
そして、 死んだ?
誰がとは言わないが、大切なものをなくしたのだ。
私も、政宗も。
(それで、私はなんでココに居るの?)
ふと下をみれば、目を大きく見開き口を指であんぐりと開けた、変な人
『うぎゃぁぁぁぁっぁあっぁあああ!!!』
* * *
『して、なぜキミがここに居るのかな?』
「なんでって、千ちゃんに会いたくて」
あ、そうですか・・・・と私は呆れる。
今、私の前に正座する(空中ですが)この半透明の少年。
まさか、まさかの
『で、竺丸くんだよね?キミ』
死んだはずの彼でした。
あの日よりも、何故か成長してる。
普通にかっこいいよ。
『あ、どうせだから付き合って』
そう言って、掴めているのか定かではないが彼の腕を引きそのまま飛ぶ。
『わぁ〜、私っ飛んでるよ!!』
「ふふっ、ホラ!」
竺丸に腕を引かれ、加速する。
そして、着いたのは私の家。
『じゃあ、行って来るね』
私は、自分に何があったのか確かめたい。
「いってらっしゃい」
ぶんぶんと手を振り合うと私は壁を抜けて中へと入り込む。