キミの唄
□02.友達
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『梵さま、おはようございます』
ん・・・、と言って目をあけると眩しい朝日といつもの笑顔があった。
「おはよ、千」
千はいつも、梵が起きる前に城にやってきていた。
「まだ、ねむい・・・」
『ダメです!』
「あと、少し」
『ダメです!』
梵は今、5歳。
千と小次郎は4歳になる。
『ほら、もうご飯です!』
「だから、まだねるっていってるだろ!!」
みるみる、千のほっぺが膨らんでいく。
『千は、梵さまが起きる前にお城に来てるんです!ねむいのに、かあさまにおこされて・・・・。ぼんさまずるい』
普段は梵よりも、しっかりしてて大人びている千だけど、たまにこうやって呂律が回らなくなる。
だけど、そんな千も好きだからもう少しからかってしまうんだ。
『ひゃぁっ?!!』
「だったら、千も一緒に寝ればいいんだよ」
千の腕を思いっきり引き寄せた。
朝は寒いから、人肌が恋しくなる。
『・・・梵さまのばか。』
「おやすみ」
その数十秒後にはスースーという、可愛らしい二人の寝息が聞こえてきたと言う。