渦巻く風とみつごたち
□おめざめ
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ひとは「行ってきます」
草次郎「行ってらっしゃい、早く帰るんだぞ」
ガチャっと扉を開け、ひとはは丸井家を出た
ひとは(夕飯の買い物に行くって言ったら、パパ付いて来て捕まるから一人でいこ)
そんな事を考えながらひとはがほんの数歩歩いた時だった
ひゅー…っという何かが落ちてくるような音が近づいてくる事に気づいたひとはの真ん前に
ひとは「!?」
血だらけの少年が落ちてきた
それも嫌な音をたてて地面に衝突した
ひとは(今、落ちてくる瞬間目線があった!?…変な音たてて落ちたし、これに関わるときっとろくでもないことが…)
目の前の少年は血だらけで倒れている。
周りに人はいない、それはひとは意外に助ける人がいないことも意味する
ひとは(絶対関わっちゃだめ…関わったら、関わったら……)
草次郎「血だらけの割に対した怪我はないな」
丸井家のリビングでは先ほどの少年が安らかな寝息をたてていた
ひとは(関わってしまった…この人いったい何者なんだろう。血だらけなのに怪我もあまりないし…)
草次郎「身元がわかるようなものも持ってないし、起きるまで出来ることはないな…ひとは、この子に見覚えは無いのかい」
少年はひとはと同じくらいの歳だろう
ひとは「無いよ、クラスにもこんな子いない」
草次郎「一応、帰ってきたらみつばとふたばにも聞いてみるとして、ほんとに空から降ってきたのかい?」
ひとは「うん、間違いなく」
草次郎は頭を抱えた
ちょうどそのときだった
みつば「ただいま〜…」
ふたば「誰かきてるっすか?」
丸井家の長女と次女が帰ってきた
ひとは「お帰り」
草次郎「お帰り二人とも、ところでこの子をみたことないか?」
みつばとふたばが少年を見る
ふたば「見た事無いっすね、どこのこっすか?」
草次郎がみつばの方を見る
みつば「私もこんなボロ雑巾みたいな奴知らないわよ」
草次郎「弱ったな、これじゃ起きるまで何も出来ないじゃないか」
みつば「警察にでも連れてけばいいじゃない」
ひとは「みっちゃん、よく考えてみて」
みつば「何を?」
ひとは「血だらけのこの子を、誰が警察に連れて行くの?」
みつば「そりゃ…」
みつばは、草次郎を見てはっと気がついた
草次郎「……悪かったな、こんなパパで!」
みつば「それなら、ふたばが連れてけば……なんか展開が読めるわ」
ひとは「でしょ?」