夜空に舞う桜と月と…
□prologue
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一年中桜が咲いている初音島に
ゆらり、ゆらりと船に揺られて2人の少年が向かっていた。
歳は学生ぐらいであろう少年2人が漁船に揺られながら空を見上げている。
「長いな…初音島まで」
1人が声を発した。少年の名は天原 元紀(あまはら もとのり)、荒々しい黒い髪と細い目つきが特徴の極々普通な少年である。
「あぁ、退屈だな」
もう1人の少年が元紀に返した。名前は空乃 礼慈(そらの れいじ)まるで女の子みたいな顔立ちと、肩を越すぐらいの綺麗な黒髪の少年である
2人は、一年中桜が咲き誇る島初音島に向かっていた。
元紀「なんで雨なんて降り出すんだよ」
礼慈「ついてないな……」
「さっきまでは晴れてたのにな」
雨に対する愚痴をこぼす2人に漁師のおっちゃんが声をかけた
元紀「あとどれくらいで着くんですか?」
漁師「この天気だかんな、もうしばらくかかんで」
元紀「そうですか…ありがとうございます」
漁師のおっちゃんの話を聞き、更に気を落とす元紀
礼慈「気長に待つしかないか……」
3人は雲ばかりの空を見上げた