頂き物・捧げ物

□拝啓、此処は平和です。
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「あっ、チェレン!ベル!」
「あぁ、ブラック。」
「ブラックも此処に来てたんだー!」

ビルが立ち並ぶヒウンシティ。
今回はホワイトの仕事にブラックも付き合って来ていたのだが、偶然にもチェレンとベルと出合った。

「あれー?ブラック、隣の女の子は?」
「始めまして、私はホワイトです。」

すると、ホワイトは何処からか名刺を取り出す。
それを見た二人は驚愕する。

「うっそー!?」
「・・・社長・・・でしたとは・・・」
「そんな畏まらなくていいわよ。ただの一社の社長だから。」
「私はベルっていいまーす」
「僕はチェレンです」
「・・・まぁまぁ二人とも敬語無し無し!仲良く行こうぜ!」

場を仕切り始めたブラック。
すると、二人の手に持っているものに気付く。

「・・・ん?そのアイス・・・どうしたんだ?」
「あぁ、コレ?ヒウンアイスさ。さっきそこで売ってたからついでに買ってきたんだ。」
「すっごく並んでたよねぇ」
「俺も行くゥゥゥゥゥゥゥ!!!」

すると、ブラックは猛ダッシュで売店の方に向かった。

「・・・無茶苦茶に走っていった割には方角合ってるよ・・・」
「野生の鼻が利く、って奴かなぁ」
「・・・ブラック君を追いかけましょう」

3人はブラックを追って、ビルの間を走り抜けた。
売店にたどり着くと、既に最後列に並んだブラックが居た。

3人は静かにその様子を見守る。
列はドンドン捌けて行く。
遂にブラックの番になった時・・・


「あ、今日はもう売り切れなんです・・・また明日なら残ってるかもしれないので、是非ご利用下さい」
「・・・えー・・・と?マジで?」

しょんぼりしながらブラックが帰ってきた。

「・・・まぁ、落ち込まないで・・・」
「そーだよぉ、元気出しちゃって!」
「ベル、その言い方可笑しい」
「まぁまぁ・・・アイスの一個くらいいいじゃないの」
「・・・はぁ・・・」
「じゃ、私のあげる〜」

ベルが差し上げた、残り少ないアイスをブラックは拒否した。
そのままブラックは立ち直れなかった。

広場のベンチに腰掛け、次に何をするかを考える事にした。

「どっかいい所は無いかな、ベル。」
「うーん・・・何処かな〜」
「あ、じゃあ、ライモンシティとかは?」
「俺は!その隣の5番道路がいい!」
「「「!?」」」

ブラックの急な立ち直りに3人はびっくりする。
顔を下げていたブラックが急に叫んだのだ。

「あそこなら・・・草むらもあるしトレーナーとバトルも出来る!修行には持ってのこいだ!」
「・・・あのねぇ、ブラック。それじゃ僕達のやることが無いじゃないか」
「いや・・・チェレン君、そうでも無いわ。あそこはストリートライブが盛んだから、それを覗くのも面白そう。」
「気前のいいコックもいるらしいし〜」
「・・・分かった、行こう。」




そして4人は、砂嵐の酷い4番道路を抜け、ライモンシティを出て5番道路へ。
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