長編

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(誰にだって)

(好き嫌いはあるものさ)


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それは、オイラがまだ、白零氷に居なかった頃だった。

高校を出て、大学に行く気がなかったオイラは、アルバイトでも探そうかと街中をフラフラしていたんだ。
動きが遅いオイラに合う仕事なんてあるのかなぁ。
・・・悩んでいたら、とある建物に行き着いた。

「・・・えーと・・・なんとか・・・医学・・・大学?」

大学かぁ。
じゃあ興味ないし、第一医学なんて・・・

「・・・おい」

話しかけられた。



今と変わらない変わった(・・・矛盾してない?)髪の毛だから忘れる訳が無い。
こっちを向いたままの彼は、少し首を傾げている。

「・・・珍しいな、こんな所に人なんて」

「・・・えと、あの、うーんと・・・」

「何だよ、何かあるんだったらはっきり言えば?」

「う、ううん、別に何でもないんだけど・・・」

「ふーん・・・ならあまり覗くなよ、捕まるぞ」

「は・・・え?つかまるってどういうこと?」

「・・・・・・・・・」

「・・・あの・・・」

「・・・とりあえず気をつけとけよ」

「・・・え、え、え?」

「じゃあな」

「え!?ち、ちょっと待ってよぉ!!」

叫びも虚しく、彼は遠くへ行ってしまったのだ。





――

―――

++++




「・・・雰囲気がね、あまり良くなかったんで・・・あまりね」

「ふーん」

「そういうことがあったんだな・・・」

「・・・・・・・・・はい」

「・・・おいダイヤ」

「・・・何、ゴールドさん」

「その大学の名前・・・何だ?」

「え・・・えーと・・・書けるけど読めなかったんだー・・・」

そう言って、オイラは常備しているメモ帳とボールペンを出し、名前を書いた。


「・・・・・・っ!!!」

「だと思うんだ・・・それがどうしたの?」

「分かった、二人と俺のダチ公の居場所!!」

「「え!?」」





何が何なのか、オイラには分からないけど。

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