オリジナル
□オリジナルA
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何日かしてからの学校の帰り道だった。
「なぁ、奏太、最近何かあっただろ」
俺の友達、青葉悠。
金髪にピアスとかいう不良みたいな見た目だけど、わずかーに(?)いいやつだ。
「んーん、ちょっとね〜」
はぁ、とため息を漏らす。
「ふぅーん、まぁ俺に友人の悩みなぞ聞いていられんがなっ!はははは!」
俺はなんでこんなにひどい友達を持っているんだ…!
まぁ、本心じゃない…と信じてるけど。
「はは……ぁ〜、」
「あっはっはっはっはぁ!櫻さぁ〜、すっごい奏太君に会わせてくれるの嫌がるよねー」
ふと、耳に入ってきた聞いたことのある名前と声…。
反射的にびくっと体が硬直したのが悠太にも伝わったようで、うぉっと小さい声をあげていた。
「な、何」
「ちょ…ぇ…あ」
汗がたらり、と額を伝う。表情もかたまる。
しばらくその会話を聞くことにして、とまっていた。
「ぁあ〜、早く櫻んち行きたいなぁ〜、菜音さんには本当感謝してるよ」
「俺は残念だけどねぇ」
「おいてかないでよーぅ、ひどいよぉ」
「んー?あ、兄さん忘れてた」
「ぇ〜?一番楽しみにしてたのは僕なんだから」
「…きもい」
「ちょ、櫻君ひどーいー」
「ひどくないです」
「あっはぁー、二人とも気持ち悪いから安心しろよ」
「てめっ」
「まぁまぁ、いいじゃん」
「よくなぁ〜い」
「死ね」
「なあっ」
「とりあえず櫻君ちいって奏太君なでなでするんだぁ〜」
「お前のなでなではキスだろ」
「・・・・・うわー、兄さんキモいよ、じゃあ兄さんのキスはそれ以上って事だねぇ」
「…今日は菜音にいわれたからだけど、今度から来ることはそれ以外ないし、極力こさせないからな!!」
(・・・話されているのが自分じゃなくてもひくよ・・・これ・・・ていうか菜姉はこないのか・・・不安すぎるんだけど)
遠くからあきれた様な目でその三人が消えていくのをみていた。
「なぁ奏太、残念だが事情は伝わってきた」
「じゃあ少し助けてくれよ!」
「ごめんな、心友・・・」
青葉はそういって帰り道を走っていく・・・所だった。
「っあ、ねえねえ君」
「・・・はい?」
「君ってあのー、悠君だよね?奏太といつも
一緒に帰ってる・・・」
「あー、まぁそんな感じになっちゃいますね」
これほど空気の察せない奴は初めてだったよ。
一回消えれば良いのに・・・!!
しかもそんな感じって何かひどいな。
「奏太・・・どこ」
すっ、と悠が顔をこちらに向かせるとじっと俺の方を見てきた。
奏太は固まったまま動かない。だいたいあきらめがついたようだ。
「ありがと、じゃね」
櫻が視線を奏太の方に向けながら悠に軽く手をふる。
その時の兄貴の顔が無駄にするどい目つきで怖かった。俺は何されるんだっていう・・・
「奏太〜、ごめんねーでも今日は俺が死ぬか死なないかにかかっているんだ」
死ぬ・・・羞恥にさらされるorボコられる
否。
死ぬ・・・羞恥&セクハラ
「あっはは、久しぶり奏太君、できれば二人きりで会いたかったな・・・」
「ど、どうも・・・・・俺は嫌ですけどね・・・・・!!」
ここで念を押さないとどうなるかわからない。
「俺もいれば、いいんだよね〜、奏太君」
「っ、なおさらですよ!」
近付けてくる翔の顔をかわしながら必死に答える。
「ふっ、愚問、奏太は俺といたいんだよ!」
櫻にぐっと肩を引き寄せられると、謎の火花が見えた気がした。
「兄貴…違うからね?」
呟くようにして櫻の目を覚ましてやろうと考えていた。
「あははははっまぁまぁ、奏太君は皆の性欲処理ができるって事なんだもんね?」
「しないですからぁああッ!」
笑われたり心底がっかりされたり俺のだ!とかほざかれたり…
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「ふーん、夕方前は親いないんだね」
くすくすくすくす、奇妙な笑いを家中に響かせて、俺の部屋(もはや客間)に入っていった。
「何で俺の部屋覚えてんですか…」
「菜音から十分聞かせてもらったからね!」
真が嬉しそうに話すと、分かっていたような気がしたが、奏太に後ろから抱きつく。
「ちょ…」
「櫻はずるいよねぇ〜、こんな可愛い子家にいて」
くすくすと笑う度に首筋に息がかかる。
その度に背筋がぞわっとするのが分かる。
「くす、食べちゃいたいな☆」
奏太の首筋を軽くかむ、というより舐めとるようにした。
「ひっ」
熱い唇が自分に押しつけられて、思わず小さく悲鳴をあげる。
「…何してんの〜?奏太のバージンをとった俺に適うと思った?」
櫻が真の前に立つと、言い聞かせるように話した。
「ばっ、ばかーー!違うだろ!」
何をいってるんだ兄貴は!普通言わないだろ!
いくらこの人達が異常でもこんなん言っちゃ駄目だろ…てかまず俺の事って時点でアウトだよ!
「ん〜?何がちがうのかなー、奏太の喘ぎ声とイった時の表情もしっかり覚えて…」
「お前は…何てやつだ…」
なんか急に思考が止まった気がした。