story1

□拝啓、お姉様3
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私が、姉さんへのこの想いを自覚したのはいつだっただろうか。

あれは確か、ある出来事がきっかけだった。
私が14歳になったばかりの頃だ。


私と姉さんは2つ違い。
だから幼い頃は当然、姉さんの方が体も大きかった。

しかし成長期に入って急激に身長が伸びた私に、姉さんはわけの分からない駄々を捏ねていた。




「私の方が年上なのに、どうしてLの方が大きいの?!ずるいわ!」
「姉さん、私は男です。仕方ないじゃないですか」
「いや〜!小さいLの方がかわいいのに・・」

そう言いながら、目線が少しだけ上になった私を見て、恨めしそうに睨んだ。

「かわいいなんて言われたくありません。それに私の身長、もっと伸びると思いますよ?」
「え〜?やだ!!L、このままでいてよ。というか、もう少し縮んで?」

意味が分からない。

「無茶を言わないでくださいよ」
「や〜〜やだやだやだ〜〜!!かわいいLの方がいい〜〜!!」

こんなワガママを言う姉さんだったが、本当の姉弟に見えるくらい私たちは仲が良かったのだ。



だが、ずっとこのまま、なんていく訳がない。

私も姉さんも、自分達が血の繋がりがないことを知っていた。

そもそもワイミーズハウスでは、年齢がバラバラな子供達がたくさんいるのだから、「姉さん」とか「兄さん」とか呼び合う事など皆無だ。
私だけが例外だった。そしてそれは姉さんが私だけに強制的にそうさせたこと。
今考えても、その意図は全く理解できない。
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