story1
□拝啓、お姉様2
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姉さんは、私の本当の姉ではない。
その言葉と事実が、私をどんなに失望させたか、姉さんはわからないだろう。
「うん、そんなことわからなかったわー」
姉さんはそう言って笑った。
「かわいいのね、L」
そんなことを言われても、ちっとも嬉しくない。
「あれ?もしかしてLは覚えていないの?あたしが、姉さんて呼ばなきゃ駄目よって言った時のこと」
もちろん覚えている。
私の記憶力を侮らないで欲しい。
「え〜じゃあどうして、失望なんてしたの?最初からわかってたでしょ?」
私は、私のことを特に可愛がってくれる姉さんが、幼い頃から大好きだった。
本当の姉だったら、どんなに嬉しいか・・
幼心にそう思ったりしたこともあった。
「あら〜〜!ますます可愛いじゃない!Lったら!血は繋がっていなくても、あたしはLの姉さんよ」
・・・
・・・・・
分かっていない。
ああ、そうだ。
この人は何もわかっていない。
じとっと、私は姉さんを見つめた。
上目遣いで。
そんな私を見て、姉さんはつんっとおでこを突付いた。