story2
□雨が降ったら
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外は雪が降っていた。
私は相変わらず、暖かい部屋の中でパソコンに向き合う毎日。
今は真夜中である。
ここ数日間降り続く雪は、一体いつ止むのだろうか。
外はおそらく白銀の世界が広がっているのだろう。
そんなことを頭の片隅で考えながら、キーボードを打つ手は止めない。
ああ、そういえばクリスマスが近いのだな。
クリスマス・・か。
世間ではお祭り騒ぎのこの行事は、今年も変わらずにやってくる。
昨年までは、私にとっても心が浮き足立つものだった。
・・柄にもなく。
去年の私は、一人ではなかったのだ。
あなたがいた。
私の傍には、確かにあなたがいた。
あなたがいたから、クリスマスがあんなにも楽しかった。
毎日食べているはずのケーキも、とても特別に思えた。
しかし・・どうだ。
今の私の現状を、自分で笑うしかない。
あなたはもう、私の傍から消えてしまったのだ。