木漏れ日日和
□脱出
2ページ/9ページ
彼女の名はアクリア。
漆黒の瞳に艶やかな黒髪のキリッとした印象を与える少女。
私より3歳年上。
だけどキリッとした容姿をしているのに、性格はわりと穏やかだ。
しかも、しっかりしているし、お姉さんらしい。
まあ、要するに姐御肌ってわけ
一筋の情報によると、マジギレすると、ヤバイらしい。
触らぬ神になんとやら……
私はそこの部分だけは徹底している。
と、まあ、余談はこの辺にして…
「―――支度をするわね。今日、外は暑いかしら?」
クローゼットに近寄りながら彼女に聞く。
「そうですね〜。少し涼しい格好をなさっていては?なんだかんだ言っても、もう梅雨明けしましたからね」
クローゼットの中に顔を突っ込んで服を探していると、横からひょいとアクリアも顔をのぞかせた。
「私がセリアス様に似合うのを見立てるので、それまで少し座っていてください。……またあの夢をご覧になられたのですか?顔色がよくありませんよ」
かなり心配している彼女にセリアスは渋々口を開いた。
.