光りと闇に舞うシュッド・レート

□1章<destiny>――運命
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「私はどうして無力なの?」




涙を流しながら10歳くらいの少女がポツリと言った。


今は夜だ……


ふと顔を上げると雨が降っていた。


まるで私のように……。






すると、どこからともなく美しい音色の歌が少女の耳に聞こえてきた




この歌は……









スラーはハッと目が覚めた。



「――夢で見た少女は私?」



声がかすれた。





あれは昔の私の夢?


でも私には13歳より前の記憶が無いから、わからない。


それは、12歳の秋から春にかけて病気にかかったショックで記憶が無くなったのではないのかと、みんなが言っている。




「それにあの歌、どこかで……」




そこへ部屋のドアをノックする音が聞こえた。
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