荒れ地のはな
□出会い
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誰もいない、乾いた土地。
荒れ地。
人が住むことでさえ許されない荒れ果てた、
植物が育たない場所。
数年前までは人が住んでいた。
だが、今の姿からは想像もできないような変わりよう。
あんなに、
あんなに楽しそうで、
明るい町だったのに……。
綺麗な建物や、花壇やプランターに植えられた植物。
楽しそうにおしゃべりしながら行き交う人達ににぎやかな話し声に笑い声。
小綺麗に着飾ったり、おめかしした人達。
時々臭う香水の強い臭いも、嫌いなはずだったのに今では懐かしく、恋しく思う。
そう、こんな日常が終わりを迎えたのはだった一瞬の出来事だった。
幸せだった日々が終わりを迎えた日。
私のなかでも何かが壊れた。
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