木漏れ日日和
□脱出
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薄暗かった室内にカーテンのすき間から光が射してくる。
ベッドには一人の少女が寝むっている。
ベッドに広がる髪はとても細く朝日を浴び、ハチミツを透かして見たような綺麗な金色をしている。
少女女の睫毛が微かに震え、その奥からエメラルドグリーンの瞳が見える。
「……もう朝なのね」
誰にともなく彼女は呟いた。
ゴソゴソと寝台を降り窓辺まで行き、カーテンと窓を開ける。
と、そこへ微かにドアをノックする音がした。
「起きてるわよ〜」
部屋の主から許しをもらった相手は返事をし、静かに室内に入って来た。
「セリアス様、もう起きていらしたのですか…。ちゃんと寝ましたか?」
「ええ。しっかり寝たから安心して。大丈夫よ〜。ついさっきまで私寝てたから」
セリアスはそう言ってクスリ、と笑った。
「貴女は心配しすぎよ〜」
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