□アオイアヤマチ
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それでも、
時間はごくごく普通に過ぎていって。

涙を浮かべて礼を言う後輩の額を小突いて、仲間達と集まってお互いをねぎらい、カラオケ大会をして、お疲れさん、と肩を叩く母にサンキューと返して、いつもより少し豪華な夕食をたいらげて、

早送りされているみたいに、"過ぎる"というより"流れていった"日々。
2年半の野球づけの生活はあっさりはじけて消えた。
残された俺達にできるのは、立入禁止のルールを破って屋上で空を見上げることぐらいだ。

―いや、見上げているというより、空に 見下ろされている気がする。





 
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