アフタースクール
□第一章
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俺には、
好きな奴が居る。
中学時代、結局3年間ずっと仲が良くて。高校は違ったけど大学で再会して…
俺もあいつも教育学部。
留年なんかするはずないあいつに置いて行かれないように必死で勉強して、現役のまま22で卒業。運よく近所の公立高校に赴任した。
―――そん時すでにあいつは流星学園にいたんだ。
赴任されて1年が経とうとした頃、校長に呼び出されたかと思えば――…
「離任!?」
俺は重々しい焦げ茶色の机を両手で叩いて体を前のめりに倒した。
「そんなに驚かなくても…」
校長がシワの多い額に汗を伝わせる。
「り、離任ってクビってことですか!?」
たった1年で、離任なんて。
(うっそ結構真面目に頑張っただろぉ!?)
ぎゅうっとキツく手を結ぶ俺をみて、校長先生は右手を振って言った。
「いやいやいやいや!!
離任はクビって意味じゃないよ!それに新米はよくいろんな学校を回るんだ!」
「え、っ」
俺が目を見張ると、校長は白いプリントを俺の胸元に突き付けた。
「この辺りの学校でご希望があればどうぞ。」
(…………え)
受け取って読んでみると、第3希望まで書く項目があることがわかった。
――これ、私立でもいいんですか。
口から勝手にでた俺の問いに、目の前のおじさんは目尻にシワを寄せてから
ご希望なら、と笑った。