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□萌って?
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それを見て銀時が少し微笑む。
「あれ?珍しく高杉が赤くならない」
「いや、なる要素が全く無かったし」
そう言いながら、フーッと煙を窓の外へはいた。
「…そう言うなら、お前の方だろ」
「へ?」
「…例えば、その死んだ目をしてるわりに、剣の腕だけは良かったり、普段ダメ野郎のくせに、やるときはやったり、銀髪でふわふわの天パ頭だったり、あとは‥って何ニヤニヤしてんだてめぇ…」
銀時はにやけ顔で高杉を見つめている
「いや〜?ただ高杉は俺の事そう思っててくれたんだと思ってさぁ」
「…」
高杉は黙ったまま煙管を吸い続ける。
「いや〜何つーか、あれだよな、高杉って本当に銀さんのこと好きだよなぁ」
「当たり前だろ、何だよ今更」
「え…」
「…?」
「……」
「…おい、何急にうつむいてんだよ天パ‥って、お前顔真っ赤だぞ」
急に俯いた銀時の顔を下から覗きこむと、普段からは想像出来ないほど、頬を赤らめた姿があった。
「っ…見んな」
「どうした?銀時ィ、熱でもあるのか?」
そして珍しく心配そうな顔で高杉は銀時を覗きこむ、そこには悔しそうに眉間にシワを寄せている姿 「…っと…てめぇは達が悪りぃ…」
真っ赤な顔はそのままに、消えそうな声で呟いた。
「何だって?」
聞こえなかったのか、高杉は更に銀時の顔を覗きこんだ
「あああぁーもうっ!!」
そう叫ぶと銀時は勢い良く立ち上がる
「ちょっと、銀さん少し出掛けてくるわ!!あっ!高杉酒飲みたいってたよな!!じゃあコンビニ行ってくるわ!コンビニ!すぐ帰ってくるから待ってて!」
そのまま銀時は玄関を飛びだしていった。
外に出た後
「うわぁぁぁ」
と叫んで走って行く音が聞こえてきた。
取り残された、高杉は暫くは呆けてたが、ソファーに座り直して、再度キセルを取り出した。
「くくっ、面白れぇなぁ、あの馬鹿をからかうのは」
そんな策略家の一言を知るよしもなく、銀時は江戸の町を駆け抜けていた。
(…だけど、真っ赤な顔のアイツも少し‥)
end