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□奪う4
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2階にある職員室に向かおうと、階段を上がっていると上から降りてくる赤いシャツの少年が目に入った。
「お、高杉!」
その声に少年はビクッと動き、こちらに顔を向けた。
手に財布を持っているのを見るかぎり、下の売店に行く途中だったようだ。
「…はよございます」
地面に目をやりながら、棒読みで挨拶をした。
その姿に銀八はニカッと笑うと
「良かった、具合が悪そうだから今日は休むかと思ってたぜ!」
と笑いながら安心した声色で言った。
高杉は少し目をキッとさせ
「…だから、眠かっただけって言っただろが」
と、少し拗ねた口調で答えた。
その姿に、銀時は何だか微笑ましい気持ちになり、
「そうだったな〜でも偉い、偉い!ちゃんと学校来るんだもんな!また眠かったときがあったらバイクでいつでも送ってやるからな〜」
と言いながら、高杉の頭をよしよしと撫でた。
高杉は無言で撫でられいる。
銀八は心の中で
(やべ…ガキ扱いするんじゃねぇ〜!!とか言って殴られるかもしれない‥コイツプライド高そうだし)
などと考え身構えているが、高杉はずっと無反応でいる。
それも、少々怖くなった銀八は、
「たかすぎ〜?」
と名前を呼び、腰を屈め下から覗くように高杉を見上げる。
すると、そこには信じられないほど顔を真っ赤にさせた高杉がいたのだった。
それに銀時は、驚き
「えっ!ちょ‥高杉‥大丈夫‥!?」
思わず手を彼の顔に添えると
瞬間高杉は毛を逆立てた猫のようになり、銀八の手を払いのけ
「っ触んな!!」
と一言叫び、下の階段を全速力で降りて行った。
残された銀八は、ポカンとして手を前に出したまま、突っ立っていた。
(えっ…何で?急に?だって今まで、もっと大胆なこと仕掛けて来たじゃねぇか‥いきなり、あんなに顔真っ赤にさせて…不覚にも…)
(可愛いとか思っちまったじゃねぇか!!コノヤロー!!)
なんだか…最近君のことばかり考えているよ!
end 続く