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□夜桜
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「天パには、この良さがわかんねぇだろうなぁ」

「天パ馬鹿すんなコノヤロー」

全国の天パに謝れ、といいながら銀時は高杉に後ろから、思いっきりぎゅっと抱きついた。
「…重てぇよ馬鹿」
悪態を吐きつつも、高杉は抵抗することはない。


高杉の肩に顔をうずめながら、散りゆく桜を、ぼうと眺める。
風邪が吹く度に雨のように散る花びらは確かに、美しいものだ。

「…散り際も綺麗だ」
銀時が独り言のように呟いた。

「だろ?」
顔は見えないが、高杉の声は少し嬉しさを含んだように聞こえた。

「‥美しく咲くのは、一瞬で潔く散っていく…」
「…」

「きっと‥それが一番美しい生き方なんだろうなぁ…花も……人も」
「…」

切なさを含んだ声色になった高杉に、銀時は、抱きしめる腕の力を強めた。

「いてぇよ、銀‥「また来年も来ような!」

その言葉に高杉が、顔だけを少し後ろに向けた。
銀時はその振り向いた赤い唇に軽く、口付けする。

「また、夜桜見に行こうぜ!来年も再来年も!」
「…」



「桜は確かに散っていくけどよ…」



「絶対に次の年にも同じように花開くだろ?」「…」

「たとえ何千回散っても…その分、何千回も花を開く」
「…」
「だからさ…」






これからずっと、2人で桜を見に行こう?







あなたとなら夜桜でも構わないから
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