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□理由なんて
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「なんで俺なんだ?」
「…はい?」
昼さがりの万事屋、すっかりソファーの上が定位置となったテロリストは、社長椅子の上に座り、足を机に乗せている主に唐突な質問を投げかける。
「…えっ、何が?高杉なの?もっと前書きを加えていいなさい」
「てめぇに言われたくねぇよ」
確かにな、と銀時は思う。いつも唐突な質問を投げかけるのは、どちらかといえば銀時のほうからだ。
「…だから何で、お前は俺を‥選んだんだ?」
言い直しされた、言葉に銀時は、あぁ、と納得する。
「つまり…俺が何で高杉を恋人にして、ラブラブ結婚前提のお付き合いをしているのか?ってことを聞きたい訳ね」
「…まあ」
何だかツッコむのも面倒くさかったので、高杉は適当に相づちを打つ。
「そりゃあ、高杉は見た目も性格も銀さんの好みストライクだし!その上相思相愛ときたら!付き合う以外に何があるって感じ…「でも、最近お前どうやらモテてるらしいじゃねぇか」
その言葉に銀時は少し、ギクッとなる
「…バレンタインだって結構貰えたって聞いたぜ?」
「そっ…それは〜誰から〜‥聞いたのかな〜?」
「ズラから」
「‥なっ!」
(何してくれてんだあぁぁぁー!!あの腐れ電波野郎!!余計な事ばかり言いやがって、てか何でアイツ知ってんだよ!!腹立つわー!)
困惑した顔になった銀時は、微妙に冷や汗も出て来た
「‥本当なんだな?」
「いや〜‥まあ〜‥」
「別に怒ってるわけじゃねぇよ」
と高杉は、煙管で銀時のおでこをコツンと叩いた。
「…ただ、随分いい女達みてぇじゃねぇか」
「えっ…いや、まぁまぁ‥でも俺から見たら高杉のほうが!全然ムラムラするから!」
「…キモイ」
「すいませんっ!!」
頭を下げる銀時を、横目に高杉はふーと煙管から煙をはく。
「そんな、いい女達がきてくれてるのに行かねえなんて‥お前ぇおかしいぜ‥」
その言葉に銀時はニヤリと笑う。
「あぁ〜おかしいかもなぁ〜完璧高杉中毒にやられたな、こりゃあ」
「…アホか、というか本当にそれでいいのか?お前の人生」
「ん?」
「んな‥男同士とか、ホモ野郎に成り下がっちまっ「ストップ!!」
銀時は高杉の目の前に手をパッと伸ばす。
「いっとくけど俺はホモじゃねぇから!!女好きだし!男相手とか無理だからね」
「…俺は男だが?」
「だっからっ!!」
銀時は高杉の顔を両手で包み、自分の顔の近くに引き寄せた。
「男が好きとか女が好きとかじゃなくて!お前が好きなんだよ!」
「!」
「高杉って存在に心底ゾッコンなの!銀さんは!お分かり?」
そのまま、スッポリと銀時の腕の中に収まった高杉は、頬にうっすら紅に染めつつ、なる程なと考えていた。
(なる程な…俺だって、ホモじゃねぇしなーただ…)
ただ…たまたま好きになったのが、馬鹿な白髪侍なだけだった。
理由なんてそんなもんか
end 後書き→