メイン

□理由なんて
1ページ/2ページ



「なんで俺なんだ?」

「…はい?」


昼さがりの万事屋、すっかりソファーの上が定位置となったテロリストは、社長椅子の上に座り、足を机に乗せている主に唐突な質問を投げかける。

「…えっ、何が?高杉なの?もっと前書きを加えていいなさい」

「てめぇに言われたくねぇよ」

確かにな、と銀時は思う。いつも唐突な質問を投げかけるのは、どちらかといえば銀時のほうからだ。

「…だから何で、お前は俺を‥選んだんだ?」

言い直しされた、言葉に銀時は、あぁ、と納得する。

「つまり…俺が何で高杉を恋人にして、ラブラブ結婚前提のお付き合いをしているのか?ってことを聞きたい訳ね」

「…まあ」

何だかツッコむのも面倒くさかったので、高杉は適当に相づちを打つ。

「そりゃあ、高杉は見た目も性格も銀さんの好みストライクだし!その上相思相愛ときたら!付き合う以外に何があるって感じ…「でも、最近お前どうやらモテてるらしいじゃねぇか」

その言葉に銀時は少し、ギクッとなる

「…バレンタインだって結構貰えたって聞いたぜ?」

「そっ…それは〜誰から〜‥聞いたのかな〜?」

「ズラから」

「‥なっ!」

(何してくれてんだあぁぁぁー!!あの腐れ電波野郎!!余計な事ばかり言いやがって、てか何でアイツ知ってんだよ!!腹立つわー!)

困惑した顔になった銀時は、微妙に冷や汗も出て来た

「‥本当なんだな?」

「いや〜‥まあ〜‥」

「別に怒ってるわけじゃねぇよ」

と高杉は、煙管で銀時のおでこをコツンと叩いた。

「…ただ、随分いい女達みてぇじゃねぇか」

「えっ…いや、まぁまぁ‥でも俺から見たら高杉のほうが!全然ムラムラするから!」

「…キモイ」

「すいませんっ!!」

頭を下げる銀時を、横目に高杉はふーと煙管から煙をはく。
「そんな、いい女達がきてくれてるのに行かねえなんて‥お前ぇおかしいぜ‥」
その言葉に銀時はニヤリと笑う。

「あぁ〜おかしいかもなぁ〜完璧高杉中毒にやられたな、こりゃあ」

「…アホか、というか本当にそれでいいのか?お前の人生」

「ん?」

「んな‥男同士とか、ホモ野郎に成り下がっちまっ「ストップ!!」

銀時は高杉の目の前に手をパッと伸ばす。

「いっとくけど俺はホモじゃねぇから!!女好きだし!男相手とか無理だからね」
「…俺は男だが?」

「だっからっ!!」


銀時は高杉の顔を両手で包み、自分の顔の近くに引き寄せた。

「男が好きとか女が好きとかじゃなくて!お前が好きなんだよ!」

「!」

「高杉って存在に心底ゾッコンなの!銀さんは!お分かり?」

そのまま、スッポリと銀時の腕の中に収まった高杉は、頬にうっすら紅に染めつつ、なる程なと考えていた。


(なる程な…俺だって、ホモじゃねぇしなーただ…)




ただ…たまたま好きになったのが、馬鹿な白髪侍なだけだった。
理由なんてそんなもんか





end 後書き→
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ