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□独り言
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「あ〜〜…やっべ…疲れた」


はーっと大きな溜め息を吐き出し、汚れた戦闘着もそのままに銀時は重い体を畳の上に投げだした。
いつも以上にハードな戦であったため、流石の白夜叉も体力の消耗に疲れを見せる。

(…あ〜‥高杉、戻ってるかな‥)

高杉の無事であることは連絡を受けているが、怪我をしていないかと疲れている頭の中で、愛しい恋人のことを心配に思う。

そんな時、部屋の襖がスッと開かれる音がした。

(……誰だ?)

誰かが入ってくる気配はしたが、体を動かすのさえ面倒なため目を瞑ったまま寝そべっていた。

すると、相手は銀時の寝ているそばに静かに腰を下ろした。
その時に一瞬だけ、独特の香の匂いが鼻を掠めた。

(!…高杉か)

安否の確認はとれていたが、無事に帰ったかを心配していたため、銀時は一気に体の力が抜け安心感に満たされる気分になった。


「…銀時」

(!)

ポツリと呟かれた名前に答えるべきかと思ったが、今起きて「何?」っていうのも、狸寝入りしていたみたいで気まずい感じがし、それに高杉も、話かけるというよりも独り言のように呟かれたので銀時はあえて寝たふりを決め込んだ。

すると、髪に手を優しく差し込まれ、撫でられる感触がした。

(……うわ〜高杉がこんな事するの珍しー‥あー可愛いなコイツ‥、てか何か気持ちーわ、まじ寝そ‥)

その幸せな感覚に委ねて眠りにつきそうだった、その時

「…銀時」

再度呟かれた言葉に、また少し意識が戻る。

すると、髪に触れていた手が離れて、自分の手にそっと添えられたのがわかった。


戦から帰ってきて、まだ湯も浴びてなく少し血も付着している手なので、銀時はあまり高杉に触ってほしくはなかった。
(…あー、せめて手だけでも洗えば良かった)

そんな考えがよぎったが、今さらなので高杉の好きなようにさせておいた。

「…銀時っ」

(!)

三度目に呼ばれた名前は、少し切羽詰まったように聞こえ内心同様した。

すると自分の手が少し持ち上げられ柔らかい感触が伝わる。
(!これはっ…)

心臓がドクンと跳ねたが、その手に伝わる柔らかな感触に神経が集中する。

すると、ちゅっと音を立てて、それは離れていった。


「…銀時」

(…)





「…良かった…お前が無事で」


(……)



本当に小さくか細い声で呟かれた言葉に銀時は、寝ながらも目の辺りがカッと熱くなったが、高杉が静かに部屋から去って行くまで、必死でこらえた。




end

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