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□たまには
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たまには待つのも良いかもしれない。

ふと、そんな考えが頭をよぎると同時に、即座に羽織りと煙管を手にとり、約束の場所へと足を運ぶ。


余裕を持って出たため、約束の時間より幾分早くに着いた高杉は、煙管を口に運ぶ。

(…待つのは、あの天パの十八番だと思ってたがなぁ)

そんなことを考えながら口元に笑みを浮かべ、空に向かって煙を吐く。

思えば、2人で待ち合わせをして高杉が先に来たことは1度も無く、大抵遅れてくるのがステータスとなっている。


(…待つのは嫌れぇなんだよ)


自分は遅れてくるくせに、矛盾していることは百も承知だ。

(…だけどなぁ)


「あらあら、どこの美人さんかと思ったらー」

「!」

声に振り向くと案の定、銀髪の男が立っている。

「な〜んだ、高杉だったんだ」


その言葉に呆れつつも、一変にして高杉はニヤリと笑う

「…どこぞの男前が、ナンパして来たかと思えばー」

そう言いながら、どんどん近づくと

「‥何だ、銀時か」
そう言い、とびっきり悪戯っぽい笑みを浮かべ、銀時の首に手を回した。

思わぬ返しに、銀時は少し照れたように俯いたが、すぐに高杉を抱き締める。

高杉は、顔をしかめながらも胸に頭をつけた。


「…待たせやがって」

「…うん、いつも人のこと待たせるくせに、待つの嫌いだもんね高杉は」

「…」

「…でも、俺のことは待ってくれたんだね、…有難う」

「……」


 




 
(…お前を待つことだけは、そんなに嫌いじゃねぇんだよ………あー…俺も腑抜けになったもんだな…)



そう思いながら、銀髪の頭を引き寄せた。




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