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□奪う5
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日差しが暑い屋上に1人、少年がフェンスに寄りかかって佇んでいる。
少年は口に加えてた煙草を片手に持つと、空に向かって、煙を溜め息と共にふぅっ吐き出した。
そして、また口にくわえ、途切れることなく吸い続ける。
(クソっ!あちーな、何でこんなとこで吸わなきゃ行けねぇんだよ!生徒のための喫煙所を学校に作れや)
学校側が気いたら、驚愕してしまうようなことを考えながら、少年ー高杉晋助はひたすらに煙草を吸う。
今の時間は昼休みだ。
四限が終わると同時に、屋上にやってきたので、次の授業まではまだ時間がある。
校内では、なかなか煙草を吸えないため、わざわざ合い鍵を作った立ち入り禁止の屋上まで来て、休憩をしているのだった。
煙草が吸えるとはいえ、お世辞にも涼しいとは言えない暑さに、高杉はボンヤリとして遠くの景色を見ていた
すると、ドアの向こう側に、コツコツと誰かが屋上へ上がってきている音が耳に入る。
「!!」
思わず、ドアの方に振り向き、煙草を消す。
(…誰だ?…教師だったら煙草は消したとしても、無断で屋上いるわけだから面倒くさいことになりそうだな‥それとも他の生徒か?)
屋上は、そんなに広くないため隠れる場所がないので、高杉は諦め、屋上に入ってくる人物を潔く出迎えることにした。
ギィと音を立てて、開いたドアの先には
「…あぢー‥って、あれ先約がいー」
教師は教師でも、高杉の中では、今一番会いたくない銀髪の男だった。
「「……」」
目が合い、お互い無言でいる。
「ーあ〜‥高杉か〜」
銀八は明らかに動揺が籠もった声で、沈黙を裂いた。
「何か偶然だな〜何?煙草吹かしてたの?来たのが俺で良かったな〜マジで」
「…何で、吸ってたってわかる?」
高杉が少し不機嫌な顔で、尋ねる。
「ん?そりゃあ匂いが少し残ってるしね〜」
銀八はそうゆうと、ニヤリと笑い、俺も吸お、とポケットから箱を取り出した。
「…」
注意もせず、平然としている教師を横に高杉は、少し離れて、また煙草に火をつけた。
(…去っても良かっんだけどな‥完璧タイミング逃した、)
一口吸うと、溜め息混じりの煙を吐き出した。