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□fascinate
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彼の名前はよく聞いていた。

『高杉晋助』

この辺では名の通る、不良少年

頭が良いうえに、喧嘩が強く
10人相手に1人で立ち向かい、勝ってしまうような、度胸と腕力の持ち主。

そんな恐ろしい噂を囁かれている男が、まさか隣の席だなんて…

この春、銀時は『銀魂高校』に入学した。
爽やかなスクールライフを期待していたものの、教室に入り黒板に書いてある自分の席を確認すると同時に、自分の席の隣に書いてある名前に驚愕した。

(…マジかよ)

せっかくのスタートが、音をたてガラガラ崩れていく。

銀時は生まれながらもった銀髪に多大なコンプレックスを抱いていた。

大人しくしていても、嫌でも目立ってしまう銀色の髪のせいで、昔から無条件に不良に絡まれることは、日常茶飯事だったのだ。

そして、名の通る不良が隣の席ときたら、もうどうなるか目に見えているだろう。

(…気を引き締めねぇとなぁ)

銀時は心の中で小さく溜め息をついた。



ワイワイと賑わっている教室の中、まだ隣の席は開いたままだ。
そろそろ、HPは終わってしまう。


(…今日は来ないのかな?とりあえず安心)


終わりの鐘が鳴り、担任は明日の注意事項を言って教室から出て行った。

銀時が帰りの支度をしていると、前のほうから妙な2人が来て、隣の机のそばで止まった。

「あ〜晋助様〜今日久しぶりに会えると思って来たのに、休みなんてヒドいっス!!」

金髪の女は高杉の机に、うっぷする。

「まぁ…晋助らしいでござるな。多分明日も来ないでござろう」

ヘッドホンした男の言葉に金髪の女はガバッと顔をあげた。
「なんで分かるんっスかぁ!?」

「だって…明日は自己紹介タイムがあるのだろう?」

「あっ‥」

ヘッドホン男のその言葉に、納得したような顔になると、ニヤリと笑った
「晋助様…やっぱり可愛いっスね」

「中学の時も自己紹介で顔真っ赤にしていたでござるからな〜本当に照れ屋でござるな」


「…!?」

2人の会話に、俺の中にあった高杉のイメージは粉砕した。
あの「高杉晋助」が、可愛い?照れ屋?

そして新たに俺の頭の中で作られた高杉は、ゴリラ並にゴッツい不良が、妙に照れているという図…

(…ある意味可愛いのか?ペット的な意味合いで)

どんな男なんだろう…





  
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