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□正夢
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夢を見た。
俺は空に居て、下にいる奴を見下ろしている。
その人物は刀先を俺にしっかりと向けていた。
そりゃあこの御時世、敵には嫌というほど殺意を抱かれれているし、刃も向けられる。
なのに…何故だろう
とても…悲しくなった。
涙が出るわけでは、なく、何とも言えない脱力感や絶望が、胸に湧き上がってくるような…
苦しくて…
思わず無意識に自重の笑みを浮かべた。
「……ぎ…オイ!高杉!」
遠くから、自分の名前を呼ばれ、目が覚めた。
「‥ん…銀‥時?‥」
目の前には心配そうに、顔を覗いている銀時の姿があった。
「高杉っ!オイ!大丈夫か?…気づいたか!?良かった〜、お前!さっきから寝ながらうなされてたんだぞ!!はぁ〜…今日の戦、お前めちゃくちゃ無理してたから、疲れるだけかと思ったけど、なかなか起こしても起きねぇし!医者でも呼ぼうかと思ったくらいだぜ〜はぁ〜でも‥良かった〜このまま意識戻んなかったらどうしようかと‥てか!?お前汗が尋常じゃねぇぞ!?大丈夫か?ヤッパリ医者に…」
「…」
マシンガントーク炸裂の銀時を黙って見ていた高杉は、まだぼ〜っとしている。
「!オイオイ!?意識あるか?ヤッパリ熱でもあるんじゃねぇのか!?」
そういいながら、汗で湿った高杉の頬に手を伸ばした瞬間
思いっきり高杉にその手を引かれ、
「!?うおっ」
バランスを崩し高杉の上に覆い被さるように倒れこんだ。
「えっ!何この状況?俺か?俺のせいか?これ…「銀時!!」
「!?はいぃっ!」
完全に動揺している銀時を高杉は一括するように、名前を呼んだ。
すると、熱っぽい顔で銀時を見上げる。
銀時は、その色気漂う顔に思わず、ゴクリと喉がなった。
「っ‥たか「少し黙れ‥」
自身の指先を銀時の唇にそっとあて、そう言うと高杉は、顔を引き寄せキスをした。