メイン
□はいからさん
1ページ/4ページ
情事後、布団の上にうつ伏せになりながら、銀時は隣の男を見る。
煙管を片手に、気だるそうな雰囲気を漂わしている、その男。
紫の中に金色の蝶が施された着物を肩から軽く羽織り、時々ふぅーと煙をはく姿は何とも妖艶で、遊女の情事後を彷彿させる。
思えば、高杉がこのような着物を選びだしたのも、煙管を吸うようになったのも全部、先生が居なくなってからのことだった。
(先生の前では、猫かぶってたからなコイツ…)
村塾時代は、子供らしい地味な袴姿に皺1つない羽織りを着ていたのに、今ではまさに遊女が着てそうな派手な着物を着崩している。
たまに着物の上に羽織るものも、かなり派手で、着物の柄と羽織りの柄が組み合わせられる。
しかし、高杉はそれを上手く着こなしてしまうのだ。
むしろ彼の醸し出す怪しさを、更に衣服や煙管が引き出しているようにも感じる。
「おい」
「ん?…!?」
声を掛けられて思った途端に、顔面に煙を吐かれた。
「ゲホッ‥ゲホッ‥ってめぇ何すんだコノヤロウ!!」
「‥ぼ〜としてたから」
「だからって人の顔に吐くもんじゃありません!」
咳き込む銀時を横目に高杉は薄笑いを浮かべながら
「なに、考えてたんだよ」
少し涙目の銀時は顔をあげた。
「いや‥お前って何でいつも女もんの着物なのかな〜と思って」
予想外の質問だったのか、高杉は目を少し見開いた。