短編

□怖い夢を見た
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怖い夢を見た。

彼女を失う、夢。唯一の僕の光。僕を証明する愛しい存在。すやすやと僕の腕の中で寝息を立てる愛しい彼女を、存在を確かめるように抱き締める。

「ん…颯、斗…くん?」
「…すみません。起こしてしまいました…ね」

本当はそんなこと思っていない。ただ、彼女がこのまま起きなかったら。夢のせいで不安は募っていくばかりで、少し安心した。

「……颯斗くん?何かあったの?」

黙ったまま首に顔を埋める僕を、優しい手が撫でる。ふわり、ふわり。

「……怖い夢でも、見たの?」

核心を突いた言葉に、顔を上げる。息が詰まる、彼女と視線が絡まった。

「……夢を、見たんです」
「どんな?」
「…あなたを、失う、夢」

抱き寄せて、囁く。薄暗い部屋に、その言葉は浮かんで、溶けた。

「…大丈夫。赤い糸が切れない限り…この指輪が、無くならない限り」

大丈夫。
ふわりと浮かんだ言葉が、す、と染みた。

「……はい、そうですね」

確かにそうだ。なら、僕は彼女をちゃんと大切にして、彼女を幸せにしよう。そうして、この糸を、途切れさせなければいい。

ふわりと微笑む彼女に口付けて、抱き締めたまま、眠りにつく。






怖い夢を見た



だけどあなたがいれば、





相思相愛様にて書かせていただきました!
一緒に寝るイコール新婚!みたいなイメージです、すいません…。
主催者様、参加者様、観覧者様に敬礼!

青空の名前|颯華

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