過去拍手

□変態政宗、推して参る!
2ページ/3ページ


午前中の授業が終わった。

よしよし今日こそ切り抜ける。
毎日毎日捕まってたんじゃ、私の有意義な昼休みがパァになる。
まずはこの第一関門。





「Honey、迎えに来たぜ☆」

「ぜ☆じゃないわ、馬鹿宗」

「今日こそ一緒にLunchと行こうじゃねェか」

「却下ァ―ッ!」





教室の入り口で最高のスマイルでもって出迎える男。
伊達政宗、17歳。属性:変態。
両腕を広げて待っている奴にスライディングをかませば、ゴッという鈍い音と共に奴が視界から消える。





「第一関門突破!」





2階の廊下を走り抜けて1階へ。
ここには体育館へ続く分かれ道があるから余計にペースUP。
何故ならここが第二関門だから。





「おお!今日も政宗殿と修行でござるか。まっこと羨ましきお方でござる」

「真田うるさい!死ね!」

「Σ(゚д゚|||)ガーン」





いっつもここで敵先鋒の真田幸村と遭遇する。
こいつが修行だと勘違いしているこの鬼ごっこ……いや、逃走劇は毎日続いている。
真田が話しかけてくるから何度かここで捕まったんだよ、チクショー。





「Ya!追いついたぜ。さっきのSliding、愛を感じたぜ☆」

「チッ……変態野郎」

「政宗殿も愛されておるでござるな。うむ、良い夫婦(めおと)になられよ」

「なるかッ!やっぱり死ね!真田」

「Σ(!!Д゜艸|||;)ガビーン」





真田を思いっきし蹴り飛ばして伊達にぶつけてやれば、2人一緒に倒れこむ。
これもいつもの事だが2人とも学習しろ、バーカ!
そして向かうは折り返し地点の購買部。





「まつ先生!イチゴジャムパンとラスクとカフェオレ!」

「はいはい」





金額も把握済。
握っているのは350円。
よっしゃ!本日のランチGetだぜ!!
あとは、奴から逃げ切って屋上へ登るだけ。





「まつ先生、俺はいつものだ、Okay?」

「げッ、いつの間に」

「今日も仲良しね〜」

「当たり前だ!俺とHone…「仲良くないわ!」





回転蹴りを食らわして購買部を出る。
何か汗かいて来たな、気持ち悪い。
あ、でも伊達のことを思えばそんな気持ち悪さは雑魚みたいなもんだな。

そして向かうは昇降口。
左に折れた先には第三関門である職員室前。
ここには手強き中堅が待ち構えている。





「止まれ」

「片倉先生!ムリムリムリ」

「今日こそ政宗様の御為(おんため)、止まって貰うぞ」

「気色悪いんじゃ!伊達主従!!」





再び登場、華麗なスライディング。
片倉先生の弁慶向けていざ。
鬼の片倉先生でもさすがに弁慶は痛いはず。
が……





「やば、捕まった!」

「小十郎、よくやった」

「はっ」

「コラ、離せ!主馬鹿め」





にやにや顔の伊達が見える。
心なしか手が何かを揉んでるように動いている……ってかキモい。
こうなったら覚悟を決めるか。





「……わかったよ、伊達」

「What?」

「もういいよ。そんなに私とのランチタイムをご所望なら負けを認めるよ」

「潔いじゃねェか、Honey」

「伊達の好きにして……」

「ま、ままま、まじか!?」

「うん、まじ…////」





ちょっと照れたように見上げれば、ゴクっと息を飲む音。
片倉先生は状況を見て「ホっ」と溜め息を吐き、職員室へ帰って行った。
そして、伊達の腕が伸びてきたその隙を狙って……





「隙あり!そいやァっ!!」

「Oh my god!!!!!」





一本背負いィーー!!

ふん、私が何の対処もなしに大人しく捕まると思ったか。
まだまだ勉強が足りないんだよ、この変態が!
仰向けに寝転んだままの伊達の腹をグリグリと踏みつけてやる。
いい気味だな、ふっはっはっは!!





「Oh、俺好みの……」

「何よ」

「お、俺好みの、黒Lingerie(ランジェリー)…、だぜ…//// Σぐはッ!!(鼻血)」

「…………(ぷちん)」










「天誅ッ!!!!!」










その日の午後。
シュ〜と音を立てそうなほどフルボッコの変態が発見されたとかされなかったとか。





----------





ヒロイン視点でお送りしました♪

変態政宗 推して参る(●∀´)屮
Ya-Ha!!!
彼は変態であってこそw





<END>→反省文
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ