過去拍手

□銀時 VS 晋助
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「アタシね、銀時のお嫁さんになるの!」





その一言で咥えていた煙管がポロリと落ちた。

何であいつだァ?
よりにもよって、何であいつなんか?
あんな天パより、俺の方が数倍……いや、数億倍イイ男だろうが。

教えてくれよ、俺の可愛いお姫様。





「何やってんの、晋助」

「……今は放っといてくれ」





目の前に座った美人が苦笑する。
こいつにゃァ俺の気持ちは分からねェよな……

あれは衝撃的だったぜ、マジで。
ばったり出くわしたあいつに、俺の姫が走り寄って抱き付きやがった。

嬉しそうに笑顔を見せて、頬を染めたりして。





「銀時大好きっ!!」





なんて言いやがった。

あいつもあいつで、





「銀さんも大好きだよ〜」





なんて。

どうすりゃいい、俺は……
せめて、1万歩譲ってヅラにして欲しかった。





「あのさァ、あんたキモいよ」





美人のくせに毒吐く奴だな、この女は、ったく……





「いつかは離れていっちゃうの。今はそういう時期なの」




時期って何だ?
そういう時期があってたまるか。

俺は、俺は……





「いつまでも娘の一番でいたいんだ!」

「親バカね、晋助も」

「親父のお嫁さんになるって言われ続けたかったんだよ。
 それが、何だァ?銀時のお嫁さんになるって?
 銀時違いかと思ったけどよォ、そんな名前の奴なんていねェだろうが。
 あいつ絶対変な趣味あるぜ。
 そんな奴のところになんてやれるかよ!
 てか、可笑しいだろ。どうなってんだァ?
 いくつ歳離れてると思ってやがる。
 ロリコンか?いや、あいつ常にガキ従えてっからそういう趣味があっても可笑しくねェ。
 このままじゃ、俺の大事な……ゴフッ!!」

「パパ、うるしゃい!!」





襖の向こうから投げられるジャンプ。
投げたのは最愛の娘(5歳)。
ヘコむ高杉晋助(年齢不詳)。
笑うしかない高杉晋助の妻(年齢不詳)。


お父さんはいつだって娘が一番なんだ。
でも娘は結局お父さんより好きな人を取るのかァ?
そんな娘に育てた覚えはねーよ!





だが……いつかは他の男に取られたとしても、
「お父さんが一番だよ♪」
って言われ続けられる親父でいたいと思いまっす!(アレ、作文?)





<END>
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