強欲な願い
□第19話 罪は・記憶は…
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『リュウ〜遊びに来ったよ♪』
「ん?アルティナ!?大丈夫か気を失ったって聞いたから…」
『うん、大丈夫だよ♪』
何だろうリュウと会うのが凄い久しぶりな気がする…。
『あっ…そうだ!!ねぇリュウ…何で私は気を失ってたの?』
「それはな、アルティナが崖から落ちて気を失ったんだぜ。
本当にアルティナはドジだな♪」
『アハハ、そうだったんだ。それとね、何か大事な事を忘れてる気がするんだけど…。それが何だか思い出せないの…』
するとリュウも母さんと同じように顔を一瞬曇らかし、すぐに笑顔になる。
「アルティナは別に何も忘れてねぇーよ。
そうだ、この近くに新しい喫茶店が出来たんだが、アルティナも一緒に行かねぇーか?」
まただ…母さんの時と同じように話をごまかす…。
『ねぇ…何で、ごまかすの?』
私は思い切って聞いてみた。
返ってくる答えは分かっているけど…。
「はぁ?何言ってんだ?何もごまかしてねぇーよ」
やっぱりね、そう言うと思った…。
絶対隠している…。どうして?
思い出したいのに思い出せずに頭がカチ割られそうな激しい痛みが私を襲う。
まるで思い出さないようにするかのように…。
『何でなの…』
私は小さくそう呟いた…。
まるで、自分の中のもう一人の自分に問い掛けるみたいに…。
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