強欲な願い
□第19話 罪は・記憶は…
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「実は、佳奈様が元の世界に引き戻される前に発信機を付けていたのです…」
『なるほどな…』
「あの長老に記憶を消された者は一生その記憶を思い出せないようです…。
だから諦めた方が良いですよ会っても、もう無理ですから…」
カチン(怒)
『何を言ってやがる!!佳奈が言ってただろ[最後まで諦めるな]って!!』
「そんなの無理ですよ、諦めずに奇跡が起きるのを待とうなんて…。そんな事ありえません」
『フッ…[ありえないなんて事は、ありえない…]これまで生きてきて俺が思った事だ。
佳奈は必ず思い出す…』
そう、必ずな…。
忘れる訳ねぇー…佳奈、忘れるなんて俺は許さねぇーからな!!
「……[ありえないなんて事はありえない]っか…。
わかりました…貴方が、そこまで言うなら連れてってあげましょう。
でも、これだけは言っておきます」
ハセトの奴は、軽く深呼吸をして真剣な眼差しで口を開いた。
「他の者に見つかったらその時は最後だと思って下さい…」
『つまり俺も処分されるって訳か』
「えぇ、そうです…。グリード様、貴方の場合…存在を消されてしまいますので…」
『存在か……』
存在を消されるのか…それは厄介だな。
だが俺は諦めねぇー…。
『オイッハセト!!早く俺を佳奈のいる世界に連れてけ!!』
「ハァ…わかりましたよ」
そう言って奴は魔法を唱え始める。
佳奈待ってろ!!
俺が必ず会いに行くからな!!
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