一輪草BOOK

□プロローグ
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国家の裏側の元に成り立つ【研究所】。そこでは、法律に反する生きた人間を使っての実験をし、そして兵士を集めていた。兵士や実験体となる者は主に【子供】。
売られた子供や捨てられた子供、親のいない孤児などが集められた。それぞれに裏世界でのNo.と表世界で使われる名前をつけられ日々戦闘訓練と研究を続けられてきた。


しかし、そのことが他の国々や国民にバレ、国家の者は国民からも他の国々からも責め立てられる。
【危険物は処分すべき】

他の国々が一斉になって言ってきた。それに賛成と騒ぎ立てる国民。
国家の者は致し方ないといい実験体異人間兵器を処分しろと研究所の者に命令を下した。


そして今、人間兵器たちは研究所の者たちによって亡き者にされている最中だ。その【人間兵器】の中に私も立っていた。
幼き頃に親に捨てられ辿り着いた先がこの【研究所】。No.を作られ新しい名を与えられ毎日のように戦闘訓練と実験に育んできた。
そして、裏世界で何人もの人を排除してきた。それは他の者も同じ。
死に対する恐怖も人を殺すという絶望も消え去りただただ命令されれば動く操り人形のような存在になっていった。
感情を表すこともなくなり喋ることを許されず命令されるがまま。そして結果がこれ。
なんと皮肉なことか。
でももうそんなのどうだっていい。死ぬのならば死んでも構わない。私たちが死んでも喜ぶ者は居たとしても悲しむ者は誰一人いない。

研究所の者が実験体の頭に何かを被せる。そして、何かのスイッチを押すと実験体は血を吐き出しそのまま倒れる。
また目の前で同類が死んだ。それもまたどうでもいいのだが。



「―――【A11】」




ああ、私の実験No.だ。頭の上に何かを被せられる。

わたしの世界もこれで終わる。

身体中に電気が走り口から血が吐き出される。視界が歪み身体が斜めになる。その時間さえもゆっくりに感じられ私の身体は地面に落ちた。薄くなる視界に映るは先に死んでいった実験体の姿。

どうだっていい、後悔もなにもないんだから。



―――ああ、でも、これはしてみたかった。


一度でいいから何者にも縛られない【自由な日々】を過ごしてみたかった。



そんな願いなど叶うはずもなく私の意識は闇の中へと落ちていった。


プロローグ


私が行く先は
天国か、それとも地獄か






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