Umineko

□小さな魔女と薔薇
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…それはまだ、あの嵐の惨劇が訪れる前…、
…六軒島に着いたばかりの時だ……、


「…うー!…薔薇、すごく綺麗…!うーうー……!」

俺と真里亞は、薔薇庭園で薔薇を眺めながら散歩を楽しんでいた。


親達は今頃、爺様の財産をどう分け合うかもめているだろうが、そんな事はどうでもいい。
…そんな、くだらねぇ事でもめてる大人達より、薔薇を見て純粋に綺麗だと喜んでいる真里亞の方がよっぽどましだと俺は思うがな。…でも、そんな事を、親達に言ったら子供は黙ってろとか言われちまうに違いないぜ……。
この年で子供扱いしないで欲しいもんだぜ。
…まったく…、大人の事情っていうのは、わからないねぇ…。……ハァ…、


「うー?…戦人?溜め息なんかついてどうしたの?」

…おっと、心の溜め息が声に出ちまっていたようだ。

「何でもねぇよ。…薔薇があまりにも綺麗すぎて、溜め息が出ちまったのさ。」

「うー…、戦人、何かソレくさい……うー…。」

「でもよぉ?真里亞だってこの薔薇達を綺麗だと思うだろう?」

「うー♪思うよ?きれいな赤色で、とても綺麗だと思うっ!うー♪うー♪」

…真里亞は、満面の笑みでそう答える。
…だけど、満面の笑みは、すぐに消えてしまい真里亞は薔薇を愛おしそうに撫でながら呟いた。
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