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□キスマーク
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羽織っていた学ランを雲雀が脱ぎ落とすなりディーノが上ずった声を上げた。
「恭弥!おま!だめ!それ見せちゃだめ!」
「邪魔。何」
ボタンを二つほど外したシャツの袷を無理矢理掻き合わされると、息苦しいし暑苦しい。
しかし顔を赤らめたディーノは、いくら睨み付けても手を離そうとしない。
「見えっからだめ!ボタン上まで止めなさい!」
「見えるって、何が」
「何って……その……昨夜俺がつけたやつ……」
「何。はっきり言いなよ」
「……キスマークです」
「ああ、あの時の。どこ」
「ここ。首んとこ。バッチリ見えてる」
「だから草壁がおかしな顔してたんだ」
「他の奴に見せんなよ……いや、見える所につけた俺が悪いんだけど。次から気をつけっから、だからそれが消えるまでは隠せ。俺とこんな事してるってお前が変な目で見られんのがいやだ」
「他人の目なんて気にしなくていいのに。でもいいよ。あなたがそこまで嫌がるなら明日は隠す」
「ホントか」
「折角あなたがつけてくれたキスマーク、他人の目に晒すのは勿体無いからね」
顔色ひとつ変えずに言ってのける雲雀とは対照的に、そんな言葉を聞いたディーノは林檎みたいに真っ赤になってベッドに撃沈したのだった。
2013.08.03(2014.10.20サイトUP)