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□新春2215
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「田作り」
「固くて口ん中怪我しそうだから、パス」
「たたきごぼう」
「口ん中もそもそすっから、パス」
「なます」
「酸っぱすぎて、パス」
「数の子」
「や、あの食感がどーも駄目で」
「僕の手作り料理が食べたいって言ったくせに駄目出し連発とはいい度胸だね」
「お前んちで残ったおせちだろ、これ!俺の為に作ってくれた料理じゃねーだろ!そもそもお前作ってねーよな!?」
「うるさいな、重箱に詰めなおしたのは僕だよ。ありがたく思えばいい」
「そんなんでありがたがれる程、俺Mじゃないんだけど」
「あなた好き嫌いないんじゃなかった?普段は何でも食べてたのに」
「おせち料理が特殊なの。普段食わない食材とか、野菜ばっかりの煮物とか、加工された魚介類とか。たまに肉があると思えばちっせぇスモークとかだし」
「じゃあ、これは?あと、これと、これ」
「あ、これは美味い。こっちも。何これ」
「伊達巻と栗きんとんとくるみの甘露煮。分かった、あなた味覚が子供なんだ」
「るせ。食い慣れてねーだけだ。珍味の類なら普段も酒飲みながら摘んでるっての。今は洋風のおせちだってあんだろ」
「そっちが食べたいなら、いいよ。これは捨ててそっちを用意してもらえばいい」
「……やだ。恭弥のが食べたい」
「嫌いなんだろ」
「嫌いだけど食べたい」
「僕が作ったんじゃないよ」
「恭弥が詰めたんなら恭弥のだ」
「ほんと、子供みたい。じゃあ、食べられるのだけ食べなよ」
「おう」
「来年は、伊達巻3本くらい丸ごと持ってきてあげる」
「もーちょっと大人扱いして下さい……」
2012.01.02