恋涙〜賢者の石〜


□到着ホグワーツ
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「…なんだったんだろう、今の」
「馬鹿と天災は紙一重っていうよね」
「…それ、“天才”の間違いじゃない?」
「違わないよ、リナだもん」
「「確かに…」」

 三人は深い息を吐いた。

「…ハリー?」
「あの…スカート、可笑しくない?」

 モジモジと俯きながら言うハリーを抱き締めたい衝動を押さえ付けながらリドルはハリーの頭を優しく撫でた。

「僕はハリーに嘘は言わない。似合ってる、可愛いよ」
「…ありがとう。リドルも、凄くカッコイイ」

 ハリーの甘い微笑みに内心では鼻血を噴きながら悶え堪えていたリドルだが、ふとハリーの前髪に見覚えの無いヘアピンに気付いた。深紅の紅いシンプルなヘアピンは、月明かりを反射してキラキラと輝いている。

「あ、これ?リナがヘアピンを沢山持ってて、好きな色をくれるって言ったから…」
「どうして紅なの?ハリーには翠が合うと思うけど…」

 ハリーの綺麗なエメラルドの瞳を見つめながら言うリドルにハリーは小さく笑った。リドルが首を傾げるとハリーは可愛らしい指をリドルの瞳に向けた。

「リドルの瞳と、同じ色だから」
「…え?」
「僕が一番好きな色は、リドルの瞳の色だから」
「…ハリーっ」

 ハリーの余りにも可愛すぎる理由に理性がキレた瞬間、ハリーはとリドルの耳に聞き覚えのある声が聞こえた。

「イッチ年生!!イッチ年生はこっちだ!!」

「ハグリッドだ!!」

 すっかりハグリッドになついているハリーは抱き締めようとしていたリドルに気付かずに小走りで彼の元に駆け寄った。リドルは溜め息と共に行方のなくなった腕を額に持っていき気を取り直してハリーの元に向かった。

「おー、リドルか!!どうだ、列車の旅は楽しかったか?」
「まぁまぁかな」
「そうかそうか!!元気そうで何よりだ。さぁ、今から道案内をするからついてこい!暗いから足元に気を付けるんだぞ?」

 其れを聞いたハリーはリドルの右手に指を絡めて腕にしがみついた。リドルはハリーの手を確り握るとハグリッドの後をついて歩いた。ロンは二人の空気に入ることが出来ず少し後ろを歩いていた。暫くするとリドルの視界にボートが見えた。ハリーもそれに気付き舌打ちをする。リドルは思わず苦笑した。ハリーは時々男のような振る舞いをする。本人はどうやら無意識らしいそれは、男のリドルが見習いたくなる時すらある。髪が短かった頃はハリーを知らない他校の女子が告白しに来た事もある程だ。

 
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