恋涙〜賢者の石〜


□僕らを繋ぐモノ
2ページ/5ページ



「…面白くない」
「ハリー、さっきからそればっかりじゃないか」

 クスクスと小さく笑うリドルをハリーは見上げた。小さいころからリドルはハリーより背が高かった。だがこのところまた急に伸びた気がする。前はこんなに身長差は無かったはずなのに。

「あ…ハリー、あっちに触れ合いコーナーがあるよ?」
「…『ライオンの赤ちゃん』?!//////」

 ハリーは示された場所を見つけてリドルの腕を掴んだ。

「行こう?リドル」
「うん、行こうか」

 ハリーの満面の笑みにリドルは甘く微笑みながら触れ合いコーナーへ足を進めた。ハリーは気が付いていないが、振り返る客の男性は皆がハリーを見つめていた。たとえダボダボのダドリーの御下がりを着ているからといっても、それぐらいじゃ誰もハリーの魅力を抑える事など出来はしない。

「猫がいっぱいいるよー♪」

 子猫だらけのコーナーに真っ直ぐ直行したハリーは今までに見たことがないぐらいの爛漫ブリを見せていた。正直、リドルが理性を保つのがやっとになるほどに。殺人級にかわいい。

「リドル、見て!!ライオンだよ♪かっわいいーでしょ?!ふわふわなのぉ♪」
「うん、破滅的に可愛いvV(ハリーが)」


 ハリーの美少女スマイル炸裂。リドル、痛恨のダメージ。頭の中で「…ライオン飼えないかな」とまで考え出す始末。誰かこのハリ馬鹿を止めて。

「キャハハッ♪くすぐったぁい…♪」
「ハリー、次行こうか。アイスあるよ、奢るよ」
「…子猫…」
「また後で此処にくればいいじゃない、ホラ行こう?(僕がライオンを蹴飛ばす前に)」

 無邪気にハリーになつき、ハリーの唇を舐めた子ライオンに大人げない嫉妬を見せるリドルにしぶしぶとついてくハリーを客達が暖かい眼差しで見守っていた事をハリーは知らない。



 動物園に入ってすぐ、リドルはハリーの手を引いてパンフレットを片手にダドリー一家とは別行動を決め込んでいた。
 折角遠出なんだから、ハリーとデートを楽しもう。
 リドルはそう考えることにしたのだった。

「美味しい?ハリー」
「うん♪ライムシャーベット美味しいよ♪」

 ハリーがレモンとライムで悩んでいたのでリドルがレモンを頼みハリーにはライムを買ってあげた。それを今交互で二人で食べている。

「ありがとう、リドル」
「どういたしまして♪」

 リドルはハリーの頭を撫でた。今日は髪を弄る時間が無かったから結んではいない。


 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ