short
□6月になりたかった7月
2ページ/51ページ
スタートダッシュに失敗したって気付いたのは、そう、きっとあのときだった。
「久しぶりだよねー、いつ以来だっけ?」
「んー、多分3ヶ月ぶりくらいだと思うけど」
「えー、嘘だぁ! なんかもっと会ってなかった感じがするし、」
「お互い忙しかったから、仕方ないけどな」
「『仕方ない』ですませちゃえるんだー、ヒデくんは」
「…お前、もうできあがっちゃってんの?」
色気のカケラもない飲みっぷりで、ビールジョッキになみなみと注がれていたビールを胃に収めていく、目の前の幼馴染みを呆れた表情で見つめて、自分もジョッキに口をつけた。