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□僕が愛して君が憎んだ
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慌てて携帯を手に取って開く。
パッ、と表示された画面には『着信中』という文字と共に、電話番号だけが表示されていた。
その番号を見た瞬間、ドクン、と心臓が一際大きく跳ねた。
…名前なんて表示されてなくたって、わかる。
何度も何度も見たその番号を、見間違うはずなんて、なかった。
親指が恐る恐る通話ボタンに伸びるも、そのボタンを押すことは出来ず、手の中で携帯は振動を続ける。
出るべき、なのだろうか。
ボタンを押す勇気がもてずに画面を見つめたままでいると、バイブが鳴り止んだ。